妊娠中に魚はおすすめ!
魚は、良質なたんぱく質やDHAやEPAなどのオメガ3脂肪酸、ビタミン、カリウム、カルシウムなど、栄養満点の食材です。食事に気を遣う妊娠中にはとくに意識して食べたい、妊婦さんにおすすめの食材です。
しかし、注意したい点が2つあります。それは、生魚は避けること、水銀の多い魚を避けること。これらの注意点についても詳しく解説していきます。
魚が妊婦に良い理由:DHA
DHA(ドコサヘキサエン酸)は、お腹の中の赤ちゃんの神経の発達に必要な栄養素であり、妊娠中は意識して摂取したい栄養素のひとつです。
DHAは、多価不飽和脂肪酸のオメガ3脂肪酸に分類され、血流改善の効果や高血圧、脳梗塞などの生活習慣病の予防が期待できます。
また、日本やアメリカでは、妊婦さんがDHAを摂取することで早産の予防になるという研究結果もあるようです。
厚生労働省は、魚介類をまったく食べないお母さんは高度不飽和脂肪酸が欠乏してしまうため、赤ちゃんの知能低下の原因になるとも発表しています。
妊婦が魚を食べる際に気を付けること
妊婦さんが魚を食べる時に気を付けたいことがあります。それは、生魚・水銀を多く含む魚を控えることです。
お寿司やお刺身などの生魚はNG?

お寿司
妊娠中は免疫力・抵抗力が低下しているため、様々な感染症に感染しやすくなっています。
生魚にはリステリア症やアニサキス症などの食中毒を引き起こす可能性があるため、妊婦さんは生魚を控えた方が良いと言われています。
リステリア菌に感染すると、リステリア症という食中毒を発症し、発熱や嘔吐、吐き気などの症状を引き起こします。また、妊婦さんの場合は、お腹の中の赤ちゃんにまで感染してしまい、最悪の場合は流産や早産の原因になることもあります。
また、魚介類にはアニサキスという寄生虫が寄生しており、それを食べることで、アニサキス症という食中毒を起こします。
アニサキス症は、リステリア症と同様の症状を引き起こします。アニサキス症による赤ちゃんへの影響については解明されていませんが、お母さんが脱水症状を起こしたり、食事ができなくなり栄養を摂れなくなったりした場合、赤ちゃんにも影響がありそうですよね。
リステリア菌やアニサキスは、熱に弱いため、加熱することで死滅します。これらの食中毒を予防するためには、しっかりと加熱することが大切です。
お寿司やお刺身が好きな妊婦さんも多いと思いますが、妊娠期間だけと考え、避けたほうが良いでしょう。
水銀を多く含む魚の食べ過ぎには注意!
魚には水銀が含まれていますが、水銀は、生態系の食物連鎖の環の中で徐々に濃縮していきます。
大きい魚が小さい魚を食べ、もっと大きい魚がその魚を食べます。大きい魚はそれぞれが食べたものを全て取り込んでいくため、自然に多くの水銀を取り込むことになります。つまり、食物連鎖の上位の魚であればあるほど、水銀の濃度が高くなります。
妊婦さんが水銀を過剰摂取すると、胎盤を通してお腹の中の赤ちゃんに移ります。赤ちゃんは水銀を自分で体の外へと出すことができないため、体に蓄積されてしまい、悪影響を与えます。例えば、生まれた赤ちゃんの聴覚の異常などが確認されています。
どの魚をどれくらいの量であれば食べても良いの?
水銀の過剰摂取はお腹の中の赤ちゃんに悪影響を与えることがわかりました。では、どんな魚を、どれくらいの量であれば問題ないのでしょうか。
以下は、1回の摂取量を1人前の約80gとした場合の目安です。ぜひ参考にしてみてくださいね。
水銀を気にせずに食べてOKな魚
キハダ、ビンナガ、メジマグロ、ツナ缶、サケ、アジ、サバ、イワシ、サンマ、タイ、ブリ、カツオ
週に2度を目安にすると良い魚
キダイ、マカジキ、ユメカサゴ・、ナミマグロ、ヨシキリザメ、イシイルカ、クロムツ
週に1度を目安にすると良い魚
キンメダイ、ツチクジラ、メカジキ、クロマグロ、メバチ、エッチュウバイガイ、マッコウクジラ
2週に1度を目安にすると良い魚
コビレゴンドウ
2ヶ月に1度を目安にすると良い魚
バンドウイルカ
まとめ
以上、妊娠中の魚について解説しました。健康的なイメージの魚ですが、妊娠中の場合は、たくさん食べれば良いというわけではないことがわかりましたね。食中毒を予防するためにお寿司やお刺身は控え、水銀の多いマグロも食べ過ぎないようにすると良いでしょう。
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