妊婦さんにおすすめの食材の一つとして、ほうれん草があります。
ほうれん草には、お腹の赤ちゃんの成長に必要な栄養素である鉄分や葉酸、カルシウムなどが豊富に含まれており、積極的に摂取するべき食材です。
ここでは、ほうれん草に含まれる栄養素や食べる際の注意したいこと、ほうれん草を使ったおすすめ簡単レシピを解説していきます。
ほうれん草が妊婦に良い理由
まず始めに、ほうれん草が妊婦さんにおすすめの理由を栄養素の解説と共に紹介します。
鉄分が豊富
ほうれん草には、赤血球を作るために必要な鉄分が豊富に含まれています。
元々日本人女性は鉄分が不足していると言われており、普段から貧血症状のある女性もいると思います。そうでなくても、妊娠中に貧血症状の出る妊婦さんは多くいます。それは、お母さんが摂取した鉄分などの栄養は優先的にお腹の赤ちゃんに届き、お母さん自身が貧血症状に陥ってしまうためです。
妊娠中期以降は、お母さんとお腹の中の赤ちゃんの間で循環する血液が増加し、多くの赤血球が必要となります。そのため中期以降は特に意識して鉄分を摂取しなければなりません。
鉄分の推奨摂取量は、妊娠初期9.0mg、中期・後期21.5mg。中期・後期の推奨量は初期の2倍にもなります。妊娠中期以降には特に意識して摂取する必要があることがわかると思います。ほうれん草100g(半束)あたりの鉄分の含有量は2.0mg。他の食材とも組み合わせて鉄分をしっかり摂るようしましょう。
葉酸、カルシウムが豊富
ほうれん草には鉄分の他にも、妊娠初期の赤ちゃんの成長に欠かせない葉酸や、赤ちゃんの骨や歯をつくるカルシウムが豊富に含まれています。
葉酸は、ほうれん草の葉から発見されたことで「葉酸」と名づけられました。ほうれん草の葉酸含有量は100g(半束)あたり210㎍。野菜の中ではトップクラスの葉酸含有量です。
ほうれん草にカルシウムとは、あまりイメージが湧かないですよね。実は、ほうれん草をはじめとする緑黄色野菜にはカルシウムが豊富に含まれており、ほうれん草には100g(半束)あたり69mgのカルシウムが含みます。
ほうれん草を食べる際の注意点
栄養価の高いほうれん草ですが、食べる際に注意したいことがいくつかあります。
ビタミンAの摂り過ぎには繋がらないので安心して
妊娠中にビタミンAが不足した場合、赤ちゃんが夜盲症や感染症を発症する場合がありますが、反対に、妊娠中のビタミンAの過剰摂取が原因で、赤ちゃんに奇形が起こる可能性もあると言われています。うなぎやレバーの食べ過ぎが良くないと言われているのはこのためです。
では、ほうれん草に含まれるビタミンAはどうかというと、これについては摂り過ぎても問題ありません。レバーやうなぎなどの動物性食品に含まれるレチノールとは違い、緑黄色野菜など植物性食品に含まれるβカロテンは、必要な分だけが体内でビタミンAに変わるため、ビタミンAの過剰摂取にはなりません。
鉄分の摂り過ぎが妊娠高血圧症に繋がる
鉄分不足と言われる中で、サプリメントで鉄分を補給する女性・妊婦さんが多くなっています。そのことにより最近では、鉄分の過剰摂取についても問題視されることが増えています。
鉄分の摂取量を誤ると、ヘモグロビン濃度の上昇によって妊娠高血圧症を発生するリスクが高くなるため、鉄分の摂り過ぎには注意するべきでしょう。
しかし、ほうれん草から自然に摂る分には基本的に問題ありません。1日1束食べる程度では鉄分の摂り過ぎにはならないため、極度に偏った食べ方をしない限り過度に心配する必要はないと言えます。
よく洗い、よく加熱する
ほうれん草を調理する際には、しっかり洗い、しかっり加熱することが大切です。
土の中にはトキソプラズマという寄生虫が存在しています。妊娠中に初めてトキソプラズマ症に感染した場合、胎盤を通して赤ちゃんにも感染する可能性があります。赤ちゃんが感染すると、病気の発症や、流産・死産のリスクもあるとても危険な感染症です。
ほうれん草をしっかり洗って土を落とし、しっかり加熱することで、トキソプラズマを死滅させることができ、トキソプラズマ症の感染を予防することができます。
トキソプラズマについては以下の記事もご参照ください。↓
おすすめ!ほうれん草の簡単レシピ
最後に、ほうれん草を使ったメニューをご紹介します。
どれもとても簡単なレシピなので、ぜひ試してみてくださいね。
ほうれん草のおひたし
家庭料理の定番、ほうれん草のおひたし。
最も素材の味を活かした食べ方ですよね。ほうれん草の本来の味をしかっり味わうことができます。茹でたほうれん草と、だし、砂糖、醤油などの調味料で和えるだけなのでとっても簡単です。
ほうれん草ベーコン
ベーコンと茹でたほうれん草を炒めて、バター、醤油、胡椒で味付けします。ほうれん草とベーコンの相性バッチリで、バター醤油の香りは最高ですよ。にんにくを加えるのも◎
ほうれん草ナムル
茹でたほうれん草を、ごま油、鶏がらスープの素、塩で和えたナムル。あと一品という時に、サッと作れておすすめです。
まとめ
妊娠中のほうれん草について解説しました。
鉄分、葉酸、カルシウムなど、栄養価の高いほうれん草。明らかに偏った食べ方をしなければ、たくさん食べても問題ありません。食べる際にはよく洗ってよく加熱することがポイント。
ぜひ日々の食事に取り入れてみてはいかがでしょうか。
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