妊娠中の生肉はNG!
妊娠中ってなぜかガッツリ、ボリュームのあるお肉を食べたくなりませんか?
「焼肉を食べると陣痛がくる!」というジンクス(?)もあり、妊娠後期には焼肉を食べる妊婦さんも多いのではないでしょうか。
お肉はたんぱく質や鉄分が豊富に含まれているため、妊娠中でも積極的に食べたい食品です。しかし注意すべきなのが生肉。妊娠中は生肉を控えたほうが良いと言われています。なぜ生のお肉はダメなのか、食べてしまった際はどうすれば良いのかなどを見ていきましょう。
トキソプラズマとは
トキソプラズマとは、動物の体内に寄生する微生物です。体内のみならず排泄物や土の中にも存在しています。牛や豚、鶏にも寄生しているため、これらを加熱が十分でない状態で食べることで、トキソプラズマに感染する恐れがあります。
トキソプラズマに感染した場合の症状と胎児への影響
通常はトキソプラズマに感染してもあまり症状はなく、発熱やリンパが腫れるなどの症状がまれに出るという程度です。
しかし、問題は妊娠中の女性が初めてトキソプラズマに感染した場合です。
妊婦さんがトキソプラズマに感染すると、胎盤を通して赤ちゃんにも感染し、先天性トキソプラズマ症を引き起こします。その結果、赤ちゃんに先天性の障害が残る可能性があります。例えば、脳症や水頭症、網膜炎、黄疸、視力障害など。最悪の場合は流産や死産の可能性もあると言われています。
お腹の赤ちゃんへの感染率については、妊娠後期になるほど高くなります。では妊娠初期であれば大丈夫かと言うとそうではなく、妊娠初期ほど感染した場合の重症度が高くなります。妊娠初期・中期・後期に関わらず、妊娠中は生肉、加熱が不十分なお肉を控えるべきと言えます。
トキソプラズマに感染しないための予防策
妊婦さんがトキソプラズマに感染しないためにできる予防策を紹介します。
生肉を控えることはもちろん、お肉を調理する際に注意すべきポイントがあります。
避けたほうが良いお肉
妊婦さんが控えたほうが良いお肉には、
- ユッケ
- 馬刺し
- 肉寿司
- ローストビーフ
- ステーキ(レア、ミディアム)
などがあります。
全く火を通してない生の状態の肉寿司や馬刺し、ユッケなどはもちろんのこと、レアステーキやミディアムステーキなどもトキソプラズマ感染のリスクがあるので控えるべきです。中心まで十分に加熱することが大切です。
お肉を調理する際の注意点
お肉を調理する際は、生肉を素手で触らず手袋を使うのがポイント。素手で触った場合は洗剤でしっかりと洗ってください。
他にも、生肉を調理した後のまな板や菜箸などの調理器具はできるだけ早く洗剤で洗いましょう。調理器具を生肉用とその他用に分けるという方法もおすすめです。
生肉を食べてしまったら、抗体検査を受けてみて
「生のお肉を食べてしまった!」「トキソプラズマに感染しているかも?」と心配している妊婦さんは、「トキソプラズマ抗体検査」という血液検査を受けてみましょう。
検査の結果、陰性の場合は、トキソプラズマに感染していないため安心ですが、妊娠中に初めて感染する可能性があるため、引き続き注意して生活する必要があります。
陽性の場合は、詳しい検査をすることで妊娠前の感染か妊娠中の感染かわかります。妊娠中に感染したという場合は、薬を服用することで赤ちゃんへの感染を防ぐことができます。
妊娠初期の妊婦健診で「トキソプラズマ抗体検査」を導入している産婦人科も多く、よく見ると既に受けていたという妊婦さんもいると思うので、検査項目と結果を確認してみてくださいね。
まとめ
妊娠中に気を付けるべき生肉、トキソプラズマ症について解説しました。
妊娠中は食べたいものが食べられず、辛い思いをしている妊婦さんもいると思います。しかし、改めてお腹の赤ちゃんへの影響を考えると、妊娠期間の10ヶ月、頑張って我慢しようという気が起こりますよね。健康な赤ちゃんが生まれてくることを願いながら、なるべく生のお肉は控えるよう心がけてくださいね。
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