子供の身長が友達よりも低かったり、平均身長から大きく外れていたりすると、とっても心配になりますよね。この記事では、低身長になる原因について解説します。
低身長の原因
低身長となる原因とは、どんなものがあるのでしょうか。主な5つの原因を解説します。
成長ホルモン分泌不全性低身長症
ホルモンの異常によって起こる低身長のひとつに、成長ホルモン分泌不全性低身長症があります。少し前までは、下垂体性小人症と呼ばれていた疾患です。
成長ホルモンは、通常、下垂体という脳の一部で作られ、血液の中に分泌されますが、その下垂体からの成長ホルモンの分泌が弱いことが原因で低身長となる場合に、成長ホルモン分泌不全性低身長症と診断されます。
この疾患は、特発性(原因不明)と続発性の主に2つに分かれますが、8割以上が特発性で原因不明で起こります。
特発性成長ホルモン分泌不全性低身長症の特徴は、
- 出生時は平均身長に近い
- 1歳前後から身長が低めになる
- 2歳以降、年を経るごとに平均身長との差が大きくなる
このような特徴が挙げられます。
ターナー症候群
女の子のみに発症するターナー症候群という病気があります。
これは、女の子に通常は2本あるX染色体のうち、1本の全体もしくは一部が欠失しているために起こる生まれつきの病気です。女の子の低身長の原因の5~10%を占めています。
この病気の特徴は、
- 出生時の身長が平均よりも少し低い
- 身長の伸びが小さい
- 3歳頃から低身長が目立ってくる
- 思春期の身長の伸びが小さい
- 二次性徴が現れない
このような特徴が挙げられます。
二次性徴については、全てのターナー症候群の女性に当てはまるわけではありませんが、乳房が膨らむ、月経が始まるなどの二次性徴のない女性が極めて多いです。
SGA性低身長
SGAとは、small for gestational ageの略で、在胎期間に相当する身長・体重と比較して小さく生まれることをいい、身長・体重が10パーセンタイル未満の場合にSGAと診断されます。つまり、お母さんのお腹にいた期間が同じ100人のうち、出生時の身長及び体重が小さい順に9番目までの子がSGAと呼ばれます。
SGAで生まれた場合、そのうちの90%は3歳頃までに身長が標準範囲に追いつきます。一方で10%は成長が追いつかず、SGA性低身長症が疑われます。SGA性低身長と診断され、医師が適応と判断した場合には、成長ホルモンの治療を受けることになります。
軟骨無形成症
成長ホルモンが十分に分泌されていたとしても、それらを作用する骨や軟骨に異常があると、成長を妨げてしまいます。骨や軟骨の異常による疾患の中で比較的多いのが、軟骨無形成症です。多くは突然変異によるものですが、まれに遺伝で起こる場合もあります。
この病気の特徴は、
- 低身長
- 四肢が短い
- 指が短い
- 大腿骨・上腕骨が短い
- おでこが大きい
このような特徴が挙げられます。
多くの場合は、お母さんのお腹の中にいる時に超音波検査によって、骨が短いことを指摘されます。また、生後間もないうちに、特徴的な顔貌、四肢短縮、短指によって医師に診断されることが多いです。
病気以外の原因
上の4つについては、病気が原因による低身長ですが、病気が原因とは考えられない低身長もあります。家族性低身長、特発性低身長などです。
家族性低身長は、父親か母親もしくは両方が病気ではないが低身長で、子供も低身長の場合を言います。
特発性低身長は、両親が低身長という背景は持たないが、子供が低身長で、原因が特定できないものを言います。
まずは、かかりつけ医に相談してみて
解説した5つの低身長の原因の他にも、様々な病気が隠れていることが考えられます。
いずれにしても、早い段階で診断されて治療を始めることが大切となるため、身長に心配がある人はできるだけ早く診察してもらいましょう。まずはかかりつけの医師に相談し、専門の医師を紹介してもらうと良いと思います。
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