妊婦の食事量の目安│時期別カロリーと実践的な盛り付け例

妊娠中のヒント

妊娠中の食事は、お母さんと赤ちゃん双方の健康を支える重要な要素です。妊婦さんの適切な食事量は、時期によって異なり、個人の体格や活動量によっても調整が必要です。

本記事では、妊娠中の食事量の目安や時期別の適切な摂取カロリー、実践的な盛り付け例までを詳しく解説します。

妊婦の食事量の基本

妊婦さんの食事量を考える上で、最も重要なのは必要なカロリーをバランスよく摂取することです。ただし、「2人分食べる」という考え方は適切ではありません。

妊娠中の食事量は、妊娠前の食生活をベースに、妊娠週数に応じて調整していくことが大切です。

妊娠中の推奨カロリーとは

妊娠中の1日の推奨カロリーは、妊娠前のBMIと活動量によって個人差があります。以下の表を参考に、自身に適した摂取カロリーを把握しましょう。

妊娠前BMI 非妊娠時の推奨カロリー 妊娠中期の付加量 妊娠後期の付加量
18.5未満(やせ) 1,950kcal +350kcal +450kcal
18.5~24.9(普通) 2,000kcal +350kcal +450kcal
25.0以上(肥満) 個別に医師に相談 個別に医師に相談 個別に医師に相談

参考:厚生労働省「妊娠前からはじめる妊産婦のための食生活指針」

体重管理との関係性

妊娠中の推奨体重増加量は、妊娠前のBMIによって異なります。体重が急激に増加したり、逆に増加が少なすぎたりする場合は、食事量の見直しが必要かもしれません。

妊娠全期間を通しての推奨体重増加量の目安・・・

  • BMI18.5未満:9~12kg
  • BMI18.5~24.9:7~12kg
  • BMI25.0以上:個別に医師に相談

妊娠時期別の適切な食事量

妊娠週数によって必要な栄養量は変化します。それぞれの時期に応じた適切な食事量を知っておくことで、より健康的な妊娠生活を送ることができます。

妊娠初期(〜15週)の食事量

妊娠初期は、つわりの影響で食事量が減少しがちな時期です。この時期のエネルギー必要量は妊娠前とほぼ同じで、特別な付加量は必要ありません。

ポイント

  1. 無理に食事量を増やす必要はない
  2. 食べられるときに栄養価の高い食品を選ぶ
  3. 消化の良い食材を中心に摂取する

妊娠中期(16週〜27週)の食事量

つわりが落ち着き、胎児の成長が活発になる時期です。基本の食事量に加えて、1日あたり350kcalの追加が推奨されています。

この追加分は、栄養バランスの良い食材で補うことが大切です。

中期の1日の追加量の目安

  • 食パン1枚(130kcal)+ヨーグルト1パック(130kcal)+りんご半分(90kcal)
  • おにぎり1個(180kcal)+牛乳1本(170kcal)

妊娠後期(28週〜)の食事量

胎児の体重が著しく増加する時期で、1日あたり450kcalの追加が必要です。ただし、胃が圧迫されて一度に多くの食事を取ることが難しくなるため、少量を複数回に分けて摂取することをおすすめします。

後期に必要な追加カロリーの具体例・・・

食品例 カロリー 摂取タイミング
バナナ1本 90kcal 午前の間食
おにぎり1個 180kcal 午後の間食
牛乳1本 180kcal 夜の間食

食事量の調整が必要なケース

妊娠中は体調の変化により、標準的な食事量を摂取できない場合があります。そのような状況での対処方法を見ていきましょう。

つわり期の食事量調整

つわりの症状には個人差があり、食事量が大幅に減少することもあります。この時期は無理に食事量を維持する必要はありません。以下のような工夫で、可能な範囲で栄養を補給しましょう。

つわり期の食事の工夫

  • 食べられるときに少しずつ摂取
  • 消化の良い炭水化物を中心に選択
  • 冷たい飲み物や料理を活用
  • においの強い食材を避ける

体重増加が気になる場合の対応

急激な体重増加が見られる場合は、食事量の見直しが必要です。ただし、極端な制限は避け、以下のような調整を心がけましょう。

効果的な食事量調整のポイント

  1. 間食を適切な量に調整する
  2. 油分の多い調理法を控える
  3. 野菜を多めに摂取する
  4. ゆっくりよく噛んで食べる

一日の食事量を調整するコツ

バランスの良い食事を実践するためには、1日の食事を適切に配分することが重要です。主食・主菜・副菜の基本的な配分を意識しながら、実践的な盛り付けを心がけましょう。

主食・主菜・副菜の基本的な配分

1日3食の基本的な配分を押さえることで、必要な栄養素をムラなく摂取できます。食事の品数が多すぎると準備が大変になるため、シンプルながら栄養バランスの良い食事を目指しましょう。

妊婦の1食あたりの基本的な配分

  • 主食(ごはん、パン、麺類):女性茶碗約1杯(150g)程度
  • 主菜(肉、魚、卵、大豆製品):手のひらサイズ1枚分
  • 副菜(野菜、海藻、きのこ類):両手に山盛り1杯分

実践的な盛り付けの目安

食事量の目安を実践するには、具体的な盛り付けのイメージを持つことが大切です。一般的な食器を使った盛り付けの目安を参考に、自分の適量を把握していきましょう。

食器を使った盛り付けの目安

料理の種類 食器の目安 量の目安
ごはん 茶碗 7分目
みそ汁 汁椀 8分目
サラダ 中鉢 山盛り
おかず 小皿 8分目

間食の適切な量と選び方

妊娠中の間食は、単なる楽しみではなく、必要な栄養を補給する重要な機会です。ただし、食べ過ぎは本来の食事に影響を与える可能性があるため、適切な量と選び方を知っておくことが大切です。

間食の目的と適切なタイミング

間食の主な目的は、不足しがちな栄養素の補給と血糖値の急激な変動を防ぐことです。1日2回程度を目安に、以下のようなタイミングで摂取することをおすすめします。

間食のベストなタイミング

  1. 午前10時頃(昼食まで時間がある場合)
  2. 午後3時頃(夕食まで時間がある場合)

おすすめの間食と避けたい食品

間食は栄養価の高い食品を選ぶことで、効率的に必要な栄養素を補給できます。一方で、過度な糖分や脂質は控えめにする必要があります。

おすすめの間食

  • 乳製品(ヨーグルト、チーズ)
  • 果物(りんご、バナナ)
  • 雑穀系のお菓子

妊娠中の食事量管理は、決して難しく考える必要はありません。この記事で紹介した基本的な目安を参考に、ご自身の体調や生活リズムに合わせて調整していってください。

不安な点がある場合は、必ず担当医や管理栄養士に相談することをおすすめします。毎日の食事を楽しみながら、健やかな妊娠生活を送りましょう。

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