妊娠中のカロリー摂取量と妊娠糖尿病の予防についてわかりやすく解説

妊娠中の食事

妊娠中は、普段以上に食事内容への配慮が必要となります。

ここでは「カロリーの摂取量」についてと、「妊娠糖尿病の予防」について、焦点を当ててわかりやすく解説していきます。

妊娠中は普段より多めのカロリー摂取が必要

妊娠中は、普段より250kcalは多く摂取する必要がある」とよく説明されます。

昔は、2人分の食事を取るようにするべきと考えられていました。母親と、お腹の中の赤ちゃんの2人分です。

しかし現在では、もう少し丁寧にこの問題に言及されています。細かな数値については様々な説がありますが、一説では1日に約250kcalのエネルギーを余分に摂ることが必要と言われています。

具体的な数値でカロリー量を見てみると、意外と少ないように感じるかもしれません。しかしあくまでこの値はカロリーであり、実際にはどの栄養素をどれほど摂取しないといけないのか、という点に着目することが大切になります。

妊娠中の体重増加の要因

体重

体重

妊娠時に着目すべきは、以下の体重です。

  • 母体貯蔵
  • 組織液
  • 血液
  • 子宮と乳房
  • 胎児と胎盤、羊水

これらの体重とその割合は、在胎週数によって決まっています。

妊娠初期には、母親の子宮の血液量が増加します。一方で妊娠後期になると、胎児の体重および母親の脂肪貯蔵組織液が主な要因で体重増加が起こります。

食事が不十分な場合でも胎児や胎盤等の成長によって体重の増加自体は起こります。しかし母親の細胞外液や脂肪貯蔵の増加は、十分な食事を取った場合と比べて大きな差が生じます。

結果として、食事を十分に摂っている母親と、食事が十分に摂れていない母親とでは、組織液や母体貯蔵されている脂肪量などでかなりの差が生じます。
しかし、血液や胎児そのものの重量はそこまでの差は生じません。

妊娠糖尿病の予防について

妊婦さんが血糖値(血液中のブドウ糖の濃度)の高い状態が続くと、妊娠糖尿病と診断されることがあります。

妊娠糖尿病は、妊娠高血圧症候群に繋がる可能性や、早産や流産、巨大児など、赤ちゃんにとっても悪影響が及ぶこともあります。

妊娠中は、血糖値が高くなりすぎないよう心がけることが大切ですね。

血糖値の急激に上昇させないために低GI食品を選ぶ

そもそも「GI」とは、Glycemic Indexの略で、食後の血糖値の上昇を示す指標です。

高GI食品は、血糖値を一気に上昇させる食品で、これに対して低GI食品は、血糖値の上昇をゆるやかにする食品のことをいいます。

高GI食品によって血糖値が急激に上昇すると、インスリンが多量に分泌されて糖をため込み、脂肪に変えてしまい、結果的に肥満に繋がります。

高GI食品と低GI食品の例

血糖値を一気に上昇させないために、高GI食品よりも低GI食品を選択しましょう。
例えば、白米よりも玄米、うどんよりもそばを選ぶことで、血糖値の上昇をゆるやかにします。

炭水化物の場合

  • 高GI食品:白米、食パン、うどん
  • 低GI食品:玄米、雑穀米、全粒粉パン、そば

野菜の場合

  • 高GI食品:じゃがいも、にんじん、かぼちゃ
  • 低GI食品:レタス、ピーマン、ブロッコリー

血糖値の上昇を抑制する食べ方

食物繊維を意識して摂取する」ことが大事です。

食物繊維には、糖の吸収をゆるやかにしてくれる作用があります。意識して食物繊維を摂るよう心がけることで、血糖値の上昇を抑えてくれます。

また、食べる順番もポイントです。まず食物繊維を多く含む野菜を食べ、次に主菜、そして主食と食べることで、血糖値の上昇を抑制します。

食物繊維の豊富な食材

ごぼう、こんにゃく、アボカド、わかめ、しめじ、エリンギ、ほうれん草、ブロッコリー

決まった時間に規則正しく食べる」ことも大事です。

食事と食事の間隔が空くと、血糖値が上昇しやすくなります。1日3食、食事の時間を決め、間隔が空きすぎないよう注意しましょう。

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