妊婦は生卵・半熟卵に注意!卵かけご飯や目玉焼きを安全に食べる方法

妊娠中NG食材

完全栄養食品とも言われる卵。

様々な料理に活用でき、なおかつ低価格でとっても便利な食材です。
卵には良質なたんぱく質はもちろん、鉄分も豊富で、貧血気味の妊婦さんにおすすめしたい食材です

しかし、妊婦さんが卵を食べる際には気をつけたいことがあります。
それは、生卵・半熟卵を避けること

最初にその理由を説明し、その次に卵かけご飯や目玉焼きを安全に食べる方法をご紹介します。

生卵・半熟卵が妊婦に危険な理由

妊娠中の女性が生卵や半熟卵を食べることは、どのようなリスクがあるのでしょうか。サルモネラ菌に関してや、赤ちゃんのアレルギーとの関係についても解説していきます。

サルモネラ菌による食中毒を起こしやすい

生卵

妊娠中は免疫力が低下するため、感染症にかかりやすくなっています。

卵の殻にはサルモネラ菌が付着している可能性があり、卵を割った際にサルモネラ菌が中に入り、それを加熱せずに食べることで食中毒を引き起こす恐れがあります。

サルモネラ菌に感染した場合、6~48時間程度で発熱腹痛吐き気下痢などの症状があらわれます。

妊婦さんがサルモネラ菌に感染した場合、お腹の中の赤ちゃんに直接的な影響はないと考えられていますが、嘔吐が続いて食事ができなくなることもあり、そうなると赤ちゃんにしっかりと栄養を与えることができなくなってしまいます。また、激しい下痢によって子宮が収縮し、流産や早産に繋がる可能性も否定できません。

このため、生卵や半熟卵、卵かけご飯、すき焼きにつける卵なども避けたほうが良いでしょう。

赤ちゃんのアレルギーとの関係

生卵とは関係ないですが、卵を食べる際に心配されることがもうひとつあります。それは、胎児のアレルギーのことです。
妊娠中のお母さんが卵を摂取することで、お腹の中の赤ちゃんがアレルギーを発症するという噂を聞いたことがある方もいるのではないでしょうか。

しかし、これに関する研究結果は発表されておらず、卵の摂取と赤ちゃんのアレルギーの因果関係ははっきりしていません。

アレルギーを心配して卵を除去することで、大切な栄養を摂取できなくなってしまう可能性もあります。赤ちゃんのアレルギーを気にせず、摂取して問題ないでしょう。

妊娠初期の方が生卵・半熟卵を食べるリスクは大きい?

妊娠中に生卵や半熟卵を食べるリスクは、妊娠期間全体を通して考慮する必要があります。妊婦さんは免疫力が低下しているため、感染症にかかりやすくなります。

妊娠初期と妊娠後期でリスクが大きく異なるわけではありません。

妊娠中に生卵や半熟卵を食べることで感染する可能性がある主な病原体は、サルモネラ菌やリステリア菌です。これらの菌に感染すると、妊婦さんには下痢や発熱、腹痛などの症状が現れる場合があります。また、リステリア菌に感染すると、胎児にも影響が及ぶ可能性があります。

妊娠初期に感染症にかかると、流産や先天性異常のリスクが高まることがあります。

一方で、妊娠後期に感染症にかかると、早産や感染性病気を胎児が持って生まれるリスクが高まることがあります。

結論として、妊娠期間中に生卵や半熟卵を食べるリスクは、妊娠初期だけでなく、妊娠後期も含めて一貫して考慮すべきです。妊娠中は免疫力が低下しており、感染症のリスクが高まるため、生卵や半熟卵の摂取は避け、加熱調理された卵料理を選ぶように心がけましょう。

どうしても生卵を食べたいときの方法

妊娠中に生卵は避けたほうが良いとはいえ、全く生卵を食べてはいけないというわけではなく、生卵を少し食べたからと言って、必ず食中毒を引き起こすというわけではありません。
生卵を食べる際には、以下の点に注意して食べましょう。

  • 新鮮な卵を選ぶ
    できるだけ新鮮な卵を選び、賞味期限間近のものや賞味期限が切れた卵は避けましょう。
  • 殻にヒビの入っていない卵を選ぶ
    卵の殻がヒビ割れている場合、殻に付着した菌が中に入ってしまっている可能性があります。
  • 卵を割ったらすぐに食べる
    割った卵を放置することで、菌が増殖してしまう可能性が高くなります。
  • 手や調理器具は、すぐに洗剤で洗う
    卵を割った後の手や、ボールなどの調理器具に菌が付着している可能性があるため、すぐに清潔にしましょう。

加熱がポイント!安全に食べるための方法

サルモネラ菌は、75度以上の温度で1分以上加熱することで死滅するため、しっかりと加熱して食べることで、食中毒を防ぐことができます。

卵焼き、目玉焼き、オムレツ、オムライス、煮卵、スクランブルエッグ。火を通す卵料理ってたくさんありますよね。この機会に卵料理のレパートリーを増やしてみてはいかがでしょうか。

妊娠中は貧血になりやすく、貧血で悩む妊婦さんも多いですよね。卵には、貧血を予防する鉄分が、100gあたり1.8mgも含まれています。

鉄分は、ヘム鉄と非ヘム鉄の2種類があります。卵は非ヘム鉄を多く含み、この非ヘム鉄は、ヘム鉄に比べて体内への吸収率が低いのが特徴です。吸収率の低い非ヘム鉄ですが、ビタミンCを含む食材と一緒に食べることで、体内への吸収率が上昇します。ビタミンCを多く含む緑黄色野菜と一緒に食べるのがおすすめです。

卵かけご飯のレシピ

これまで説明した通り、妊娠中に加熱が不十分な卵を食べるのは、食中毒の恐れがあるため、基本的にはNGです。

そうとわかっていても、卵かけご飯を食べたい!という妊婦さんもいると思います。そんな方のために、妊娠中でも食べられる卵かけご飯をご紹介したいと思います。レンジを使って簡単に調理することができます。

  1. ごはんを盛った茶碗に、生卵を入れて軽く混ぜる
  2. ラップをせずに、600Wで1分、電子レンジで温める
  3. 塩や醤油を適量加えて、出来上がり!

レンジを使うことで、ある程度卵に火が通り、食べた感じは生卵の卵かけご飯とほとんど変わりません。

ただし、こちらのレシピも卵に完全に火が通っているわけではないので、で解説した生卵を食べる際のポイントを必ず守って作るようにしてください。

なお、電子レンジで簡単に作れる卵料理としては以下のものも挙げられます。

  1. スクランブルエッグ
    卵をボウルに割り入れ、塩・コショウで味付けした後、レンジで加熱しながら何度かかき混ぜることで、スクランブルエッグを作ることができます。
  2. ポーチドエッグ
    小さな耐熱容器に水と酢を入れ、卵を割り入れ、ラップをかけてレンジで加熱します。加熱時間を調整することで、お好みの固さに仕上げることができます。
  3. オムレツ
    卵をボウルで溶いてから、具材や調味料を加えて混ぜ、耐熱容器に入れてレンジで加熱することで、簡単なオムレツを作ることができます。

卵をレンジで加熱するときの注意点があります。レンジによる加熱で卵が膨張し、破裂する可能性がありますので、容器に余裕を持たせること、ラップでカバーするなどの対策が必要です。また、加熱時間やレンジの出力によっても火の通り具合が変わりますので、慣れるまで何度か試行錯誤が必要かもしれません。

卵かけご飯の代用となる料理

妊娠中で生卵を避けたい方に代わりにおすすめできる卵かけご飯風の料理は、「温泉卵かけご飯」です。

温泉卵は、卵を低温でゆっくり加熱することで、外側の白身は固まり、中心の黄身はトロリとした食感になるため、卵かけご飯に似た食感を楽しめます。サルモネラ菌のリスクを軽減するため、しっかり火を通した温泉卵を使用しましょう。

< 温泉卵かけご飯の作り方 >

  1. 卵を冷蔵庫から取り出し、室温に戻します。
  2. 鍋に水を入れ、60〜70℃の温度に維持します。温度計を使用すると、温度管理がしやすくなります。
  3. 卵をゆっくりと水に入れ、約12〜15分間加熱します。加熱時間を調整することで、お好みの硬さに仕上げることができます。
  4. 卵を取り出し、冷水に入れてしっかり冷やします。
  5. 温泉卵を割り、ご飯の上にのせます。
  6. お好みで醤油やだし、ねぎやわさび、のりなどの薬味を加えてお召し上がりください。

温泉卵かけご飯は、卵かけご飯と同様に、トロリとした食感が特徴で、妊娠中でも安心して食べられる一品です。また、具材や調味料をアレンジすることで、さまざまなバリエーションを楽しむことができます。

 

市販のたまご醤油たれ納豆も、卵かけご飯のような感覚でおすすめです!一般的な卵かけご飯の代用としてこちらも楽しめるでしょう。

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目玉焼きのレシピ

半熟の目玉焼きが好みの方もいると思いますが、食中毒を引き起こすリスクを避けるためにも、やはり妊娠中は半熟では心配です。焼き加減を調節した、固焼きの目玉焼きの作り方を紹介します。

  1. フライパンに薄く油をひいて中火で熱する
  2. 熱したフライパンに卵をそっと割る
  3. 蓋をして中火で3分、さらに弱火で3分焼く
焼き加減別の、焼き時間の目安
・半熟  → 弱火で5分程度
・固焼き → 蓋をして中火で3分、弱火で3分
「少しでも半熟だと人体に危険が及ぶ」ということでもありません。焼き加減を調整しながら、ある程度火を通しつつ、目玉焼きを楽しむと良いでしょう。

卵焼きのレシピ

卵料理といえば、卵焼き。でも、いつも同じ卵焼きだと飽きてしまいますよね。そんな時のために、妊婦さんにおすすめの卵焼きのアレンジレシピをご紹介します。

卵焼き

  • 納豆卵焼き
    葉酸ビタミンKが豊富な納豆。納豆にしっかりと味があるので、卵焼きの味付けは薄味でOK。納豆は安価で購入できる点も良いですよね。
  • 小松菜卵焼き
    小松菜には鉄分が多く含まれます。クセがないため、卵焼きに入れても小松菜が主張しすぎず、とってもおいしいですよ。
  • のり卵焼き
    むくみ改善を期待できるタウリンが含まれる海苔。味付け海苔だと味が濃くなってしまうので、焼き海苔を使用するのがおすすめです。

妊娠中に生卵・半熟卵を食べてしまった!どうすればいい?

妊娠中に生卵や半熟卵を食べてしまった場合でも、深刻に考えすぎず、冷静に対処しましょう。生卵や半熟卵を食べてしまったとしても、必ずし感染症にかかるわけではありません。

ただし、感染症のリスクがあるため、以下の対処法を参考にしてください。

  1. 自覚症状のチェック
    食べた後数日間は、体調や自覚症状に注意しましょう。特に発熱、腹痛、下痢、嘔吐などの症状がある場合、感染症の可能性があります。
  2. 医師へ相談
    不安な場合や、症状が現れた場合は、すぐにかかりつけの医師や産婦人科医に相談しましょう。状況を正確に伝え、適切な診断と対処法を受けてください。
  3. 今後の注意
    妊娠中は免疫力が低下しているため、感染症にかかりやすくなります。今後は生卵や半熟卵を避け、加熱調理された卵料理を選ぶように心がけましょう。

たまたま生卵や半熟卵を食べてしまった場合でも、適切な対処を行い、医師と相談することで、リスクを最小限に抑えることができます。不安がある場合は、早めに専門家に相談することが大切です。

まとめ

以上、妊娠中の生卵について解説しました。生卵は、妊娠中に絶対に食べてはいけないとされているものではありませんが、食中毒のリスクを減らすためにできれば避けるのがベターです。もしも生卵・半熟卵を食べる際には、注意点をしっかり守って食べましょう。

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