妊娠中、お寿司やお刺身はNGとよく聞きますよね。それは食中毒に感染する可能性があるためです。妊婦が食中毒に感染した場合の赤ちゃんへの影響や、妊婦でも食べられるお寿司のネタについて解説します。
生魚による食中毒
妊娠中は通常よりも免疫力が低下しているため、食中毒を引き起こすリスクが高くなります。
生魚による食中毒で心配されるのが、リステリアとアニサキスです。
妊娠初期・中期・後期を問わず、食中毒のリスクを踏まえて気をつけるべきですが、赤ちゃんが薬の影響を受けやすい時期(絶対過敏期)とされる妊娠初期には特に食中毒に注意する必要があります。
リステリア
リステリアは、生魚、生肉、ナチュラルチーズなどによって感染する食中毒で、妊娠中は通常の20倍もリステリアに感染しやすいと言われています。
リステリア菌に感染するとリステリア症を発症し、発熱や吐き気、頭痛、嘔吐、下痢などの症状を引き起こします。お腹の赤ちゃんにも感染するため、最悪の場合は流産や早産に繋がることもあります。
アニサキス
魚介類にはアニサキスという寄生虫が寄生していることがあります。魚介類の内臓に寄生しているアニサキスの幼虫が魚介類の鮮度が落ちると内臓から筋肉に移動し、それを食べることでアニサキス症を引き起こします。
アニサキス症を発症すると、発熱や激しい腹痛、嘔吐などの症状が現れます。
アニサキス症による赤ちゃんへの感染については現在解明されていませんが、お母さんが脱水症状・栄養不足に陥ることで食事ができなくなり、その結果赤ちゃんに十分な栄養を与えることができなくなってしまう可能性があります。
食中毒の予防策
- 鮮度の良い魚を食べる
- 中心部まで加熱する
- 内臓を食べない
- 魚を丸ごと購入した場合には、速やかに内臓を取り除く
リステリアやアニサキスは、熱に弱い性質を持っています。そのため加熱によって菌が死滅します。これらの食中毒を予防するためには、中心部までしっかりと加熱することが大切です。
また、できるだけ控えたいですが、もしも生魚を食べる際には鮮度の良い魚を食べることで食中毒の感染リスクを抑えることができます。
アニサキスは鮮度が落ちることで魚の内臓から筋肉へと移動するため、下処理していない魚を購入した場合には、できるだけ早く内臓を取り除く処理を行うことで、筋肉への移動を避けることができます。
妊娠中のお寿司について
妊娠中でもお寿司を食べることがあると思います。そこで、妊婦さんでも食べられるネタと避けるべきネタをそれぞれ紹介します。
食べられるお寿司のネタ
- ボイル海老
- ボイルたこ
- 玉子焼き
- いなり寿司
- 納豆巻き
- カッパ巻き
- ツナマヨ
- コーン
避けたほうが良いお寿司のネタ
- サーモン
- アジ
- サンマ
- いくら
- うに
- イカ
- 牡蠣
- マグロ
- キンメダイ
- うなぎ
- あなご
- 炙りネタ
代表的なネタを例に挙げましたが、やはり加熱されていない生の魚介類は避けるべきでしょう。炙りサーモンや炙り中トロなどの炙りネタは、中心部まで火が通っていないため食中毒感染の可能性が高くなります。炙りネタも生ものと同様に考えると良いでしょう。
マグロやキンメダイについては、生ものというだけでなく水銀の心配もあるため避けてください。
また、うなぎやあなごについては、動物性のビタミンA(レチノール)を多く含みます。1皿~2皿程度であれば問題ありませんが、それ以上は控えた方が良いでしょう。
水銀、ビタミンAについては以下の記事もご参照ください。
まとめ
妊娠期間の10ヶ月、お寿司やお刺身を我慢するのって本当に辛いですよね。でも、お腹の中の赤ちゃんのためと思って頑張ってみてくださいね。どうしても我慢できない!という妊婦さんは、新鮮な魚を少量にしておくと安心ですね。
コメント