妊娠中に寿司や刺身がダメな理由!アニサキス症の症状や胎児への影響、予防策を解説

病気・健康管理

妊娠中には様々な感染症にかかりやすくなっており、いつも以上に食生活や日常生活において気を付けなければいけません。以下では、妊婦さんが注意したい感染症の一つであるアニサキスについて、感染した際の症状感染経路胎児への影響予防策などを解説していきます。

アニサキスとは

アニサキスとは、魚介類に寄生する寄生虫です。アニサキスの幼虫は、長さ2~3cm・幅0.5~1mm程度の白色の糸のような見た目をしています。

寄生している魚が死亡し時間が経つと、内臓から筋肉へ移動することがわかっています。アニサキスが寄生した魚介類を生で食べることで、アニサキス幼虫が体内に侵入し胃や腸を刺し、アニサキス症という食中毒を発症する恐れがあります。

日本においては、他国と比べてもアニサス症の発生件数は多く、お寿司お刺身などの生魚を好む食習慣が要因となっていると考えられています。

感染経路はお寿司やお刺身

アニサキスの人への感染経路は、魚の生食もしくは加熱が不十分なことによります。

アニサキス幼虫は様々な魚介類に寄生しますが、サバアジカツオイワシサケサンマイカに寄生していることが多くあります。

その中でも特に注意したい魚は、鯖(さば)です。鯖を原因とするアニサキス症の発症は他の魚と比べても多く報告されています。鯖の生食というとあまり馴染みがないかもしれませんが、要注意なのがしめ鯖です。生の鯖を酢で締めているしめ鯖ですが、アニサキスは酢や塩に漬けることでは死滅しません。酢に漬けたから安心と考えず、気を付けなければいけません。

サバをはじめとした魚介類全般を食べる際には、加熱してしっかりと中心部まで火を通すことを心がけましょう。

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アニサキス症による症状

アニサキスが寄生した魚の生食によって、急性胃アニサキス症もしくは急性腸アニサキス症を発症します。

  • 急性胃アニサキス症

アニサキス幼虫がを刺入することで起こるのが急性胃アニサキス症で、日本で発症するケースのほとんどがこれに当たります。
食後から数時間~数十時間で、上腹部・みぞおちの激しい痛み吐き気嘔吐などの症状が現れます。

  • 急性腸アニサキス症

アニサキス幼虫がを刺入することで起こるのが急性腸アニサキス症です。急性胃アニサキス症に比べて発症件数は少ないですが、稀に発症することがあります。
食後から十数時間~数日間で、激しい下腹部痛吐き気嘔吐などの症状が現れます。

胎児への影響

妊娠中の女性がアニサキスによる食中毒を発症した場合の胎児への直接的な影響は、現時点では解明されていません。

しかし、妊婦さん自身が食事を摂れなくなったり、激しい嘔吐によって脱水症状を起こしたりすることで、お腹の赤ちゃんへ十分な栄養を届けられなくなってしまう可能性があります。

妊娠中は服用できる薬も限られているため、発症しないための予防策を徹底することが望ましいと言えるでしょう。

感染しないために気を付けること

アニサキスを死滅させるには、加熱処理もしくは冷凍処理が有効です。

アニサキスの死滅に有効な手段
60℃以上で1分以上の加熱 もしくは -20℃以下で24時間以上の冷凍

これらを踏まえた上で、アニサキスへの感染予防策として以下のことに注意しましょう。

  • 新鮮な魚を選ぶ
  • 魚を丸ごと1匹購入した際には、すぐに内臓を取り除く
  • 魚の内臓を食べない
  • 魚介類は十分に加熱してから食べる
  • 魚介類を生で食べる際は冷凍処理を行う
  • 魚介類を食べる際には、アニサキスの存在を目視で確認する

これらのことに十分に気を付けて、アニサキスへの感染を防ぎましょう。


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