妊娠中でもナチュラルチーズはOK!モッツァレラ等の選び方、メーカーの意見など

妊娠中におすすめの食材

一般的に、カマンベールチーズモッツァレラチーズなどのナチュラルチーズは「妊娠中に食べたらダメ」と言われることもあります。

しかし、実は選び方さえ気を付ければ食べられます。

ここでその理由や、妊婦さんでも安全にナチュラルチーズを楽しむための選び方を解説していきます。

チーズ好きの妊婦さんは必見です!

チーズの種類

チーズは、プロセスチーズナチュラルチーズの2種類に分かれます。

  • ナチュラルチーズ
    …生乳を乳酸菌や酵素で凝固させ、ホエイを取り除き固めたもの、あるいはこれを熟成させたもの
    ex)カマンベールチーズ、モッツアレラチーズ、クリームチーズ、ブルーチーズなど
  • プロセスチーズ
    …ナチュラルチーズに乳化剤を加えて、加熱して溶かした後に冷やして固めたもの
    ex)スライスチーズ、ベビーチーズなど

ナチュラルチーズはなぜ注意が必要と言われているか

妊娠中の場合、プロセスチーズはOK、ナチュラルチーズはNGとよく言われていますが、それはなぜでしょうか。

リステリア菌に感染するリスクがあるから

加熱殺菌されていないナチュラルチーズには、リステリア菌という細菌が存在する可能性があります。それを食べることでリステリア菌に感染し、リステリア症という食中毒を発症する恐れがあります。

妊娠中は免疫力・抵抗力が低下しており、通常時よりもなんと20倍もリステリア症などの食中毒にかかりやすいと言われています。

厚生労働省も「リステリアによる食中毒」として、とくに妊婦さんは注意が必要であると発表しています。

リステリア菌は63℃で30分以上加熱すれば死滅し、プロセスチーズだと製造過程で加熱がされているためこのリスクが小さいです。

一方、ナチュラルチーズは加熱加工されていないものが多いため、食中毒にかかりやすい妊娠中にはナチュラルチーズは避けたほうが良いと言われているのです。

リステリア菌に感染すると赤ちゃんへの影響も

リステリア菌に感染すると、発熱や下痢、嘔吐などの症状を引き起こします。その初期症状はインフルエンザの症状に似ているとも言われています。

免疫力が下がっている妊婦さんは、重症化する可能性も高く、その場合には痙攣や意識障害などを引き起こす可能性もあります。

また、妊婦さん自身だけでなくお腹の赤ちゃんにも影響します。リステリア症は胎盤を通じて赤ちゃんにも感染し、流産や早産、最悪のケースでは死産の原因にもなるものです。

妊娠中でも食べられるナチュラルチーズの選び方

食中毒の恐れのあるナチュラルチーズですが、以下の点に注意して選べば基本的に問題ありません。

国産のものを選ぶ

「国産だから絶対安心」ということではありませんが、日本の食品に関する安全基準は海外よりも厳しく設定されています。

しかし日本産のナチュラルチーズには加熱殺菌の処理が義務付けられており、リステリア菌に感染する可能性は極めて低いと言えます。

雪印や森永などの国内メーカーの意見、安心して食べられる商品名については後述しています。

「加熱用」の記載があるものは必ず加熱する

ピザ用チーズとろけるチーズについては、基本的に加熱が前提で販売されているため、必ず加熱してから食べるよう、各メーカーが注意喚起しています。

「加熱用」「加熱してお召し上がりください」「要加熱」と記載のあるものについては、しっかり加熱するよう注意しましょう。

海外産・輸入品には注意が必要

注意が必要なのが、海外産のチーズです。

海外産のナチュラルチーズは、日本のように加熱殺菌処理が義務付けられていないため、加熱殺菌処理を行っていないものが多くあります。

そのため、食中毒を引き起こすリスクは比較的高くなってしまいます。輸入品のナチュラルチーズは避ける、あるいは慎重に商品選びをしたほうが良いでしょう。

国内メーカー(雪印や森永など)の意見と商品について

国内の大手メーカーのホームページ上に、加熱殺菌についての記載があります。

リステリア菌は原料乳の加熱殺菌により死滅します。当社で製造するナチュラルチーズは法令に基づいた条件で殺菌した原料乳を使用して製造しており、また出荷前にも検査を実施しておりますので安心してお召し上がりいただけます。

(引用:森永乳業

当社の場合、「加熱してお召し上がりください」の表示がないチーズは、製造工程で加熱殺菌をしたり、検査でリステリア菌の確認を行い、問題のないことを確認しているものでございます。そのままでもリステリア菌の心配はございませんので、安心してお召し上がりください。

(引用:明治

当社で製造するナチュラルチーズは、乳等省令に基づいた殺菌条件で原料乳の殺菌を行い、さらにリステリアの検査を定期的に実施し、安全性を確認しています。
また、当社が原料として輸入しているナチュラルチーズの場合も、買い取り時に当社分析センターで検査の上、リステリアが発見された場合は購入しない体制を取っています。

(引用:雪印メグミルク

これらのメーカーが生産しているナチュラルチーズは、原料乳の時点で殺菌が行われ、さらに出荷前の検査も行われているため、リステリア菌感染の心配はほぼ必要ありません。

安心して食べられるチーズ商品の紹介

以下は、各メーカーが妊娠中に食べても安全と公表している商品です。

<明治>

  • 明治北海道十勝スライスチーズ
  • 明治北海道十勝スマートチーズ
  • 明治北海道十勝カマンベールチーズ
  • 明治北海道十勝ボーノ
  • 明治さいておいしいモッツァレラ

<雪印メグミルク>

  • 雪印北海道100 カマンベールチーズ
  • 雪印北海道100 芳醇ゴーダ クラッシュ/チェダー クラッシュ
  • 雪印北海道100 カッテージチーズ
  • 雪印北海道100 さけるチーズ
  • 雪印北海道100 クリームチーズ/マスカルポーネ
  • クリームチーズ

加熱が必要なチーズ商品の紹介

以下は、各メーカーが加熱が必要と記載する商品です。

<森永乳業>

  • 家計応援とろけるチーズ

<明治>

  • 明治ピッツァミックスチーズ
  • 明治北海道十勝とろけるチーズ 脂肪分30%カット

<雪印メグミルク>

  • 雪印北海道100 とろけるチーズ クッキング用
  • 雪印北海道100 とろけるモッツァレラ
  • 雪印北海道100 とろけるチーズ 脂肪分1/3カット
  • 雪印北海道100 チーズフォンデュ
  • とろけるナチュラルチーズ クッキング用、ピザ用
  • とろけるナチュラルチーズ、使い切りタイプ

チーズはカルシウム豊富で妊婦にもおすすめ

カルシウムは、お腹の中の赤ちゃんの骨や歯の形成に必要不可欠な栄養素です。

胎盤を通して赤ちゃんに送るカルシウムが不足した場合、お母さんの骨からカルシウムを吸収していくため、お母さん自身の骨が弱くなってしまい、骨粗鬆症の原因になる恐れがあります。

一般的な日本人の食事はカルシウムが不足しがちとも言われており、妊娠中はとくに意識して摂取したい栄養素の一つと言えます。

そしてチーズにはカルシウムが豊富に含まれています。

含有量は100gあたり660mg。カルシウムの1日の推奨摂取量は650mgです。例えば、プロセスチーズのみの場合5~6つで推奨量のカルシウムを摂取できます。

様々な料理に活用したり、おやつとして食べたり、他の食材とも組み合わせながらしっかりとカルシウムを補給しましょう。

まとめ

妊娠中に食べるナチュラルチーズについて解説しました。

ナチュラルチーズは、輸入品でなく殺菌処理がきちんと行われている国産品を選ぶと良いでしょう。また、国産品であってもパッケージの表示をしっかりと確認し、加熱が必要なものについては、加熱してから食べることが大事です。

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