妊娠中に海苔(のり)を食べることはとってもおすすめです。
妊婦さんにとって大切な葉酸の含有量No.1の食材であることや、鉄分、タウリンも豊富に含まれているためです。ただし、極端な食べ過ぎには要注意です。
以下ではその理由を詳しく解説すると共に、1日何枚ぐらいであれば食べても大丈夫なのかと言うことに関しても解説していきます。
海苔が妊婦に良い理由
海苔は、葉酸や鉄分、タウリンが多く含まれているため妊婦には特にメリットの大きな食材です。
加工されていない焼き海苔の状態での栄養素まずは見てみましょう(下表)。
100gあたりの栄養価から、よく市販されている全形サイズ1枚分および8切サイズ1枚分に換算して表にしています。
100gあたり | 全形1枚(3g)あたり | 8切1枚(0.4g)あたり (一般的なサイズ) | |
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エネルギー | 188kcal | 5.64kcal | 0.752kcal |
葉酸 | 1900㎍ | 57㎍ | 7.6㎍ |
鉄分 | 11.4mg | 0.342mg | 0.0456mg |
タウリン | 1220mg | 36.6mg | 4.88mg |
ヨウ素 | 2100㎍ | 63㎍ | 8.4㎍ |
葉酸・鉄分・タウリン、それぞれ以下で詳しく紹介し、海苔を食べることのメリットを解説していきます。
葉酸の含有量No.1
海苔には、100gあたり1900㎍もの葉酸が含まれています。
これは葉酸が多く含まれている他の食材と比較しても圧倒的に大きな数値です。
100gあたりの葉酸含有量の比較 | |
海苔 | 1900㎍ |
ほうれん草 | 210㎍ |
いちご | 90㎍ |
比較すると、より海苔の葉酸含有量の多さがわかるかと思います。
そして、妊娠中の葉酸の推奨摂取量は1日あたり480㎍とされているため、全形サイズの海苔であれば8枚で1日の推奨摂取量を摂取することができるのです。葉酸サプリを使わずに推奨摂取量まで葉酸を摂ることは難しいですが、海苔であればこれをクリアすることが可能となります。
鉄分も豊富
海苔に鉄分と聞くと少し意外な感じがする方もいるかと思いますが、海苔には100gあたり11.4mgの鉄分が含まれます。
妊娠中に貧血に悩む妊婦さんも多く、積極的に鉄分を含む食品を摂取することが望ましいでしょう。また、貧血予防にもなるので、妊娠前から意識して摂るべき栄養素と言えます。
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タウリンも豊富
近年注目されているタウリン。アミノ酸の一種であるタウリンは、牡蠣やイカ、たこなどの魚介類・貝類に多く含まれますが、海苔にもタウリンが豊富に含まれています。
タウリンは、悪玉コレステロールを減らし、血糖値の上昇を抑え、むくみを改善し、便秘も解消するといわれています。むくみに悩む妊婦さん、妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病の妊婦さんはとくに意識して摂取したいですね。
海苔の食べ過ぎには要注意!

海苔の佃煮のイメージ
海苔には葉酸や鉄分、タウリンが豊富に含まれており、妊娠中に積極的に食べたい食材ですが、極端な摂り過ぎには注意が必要で、商品によっては塩分が多く含まれていたりもするため食べ方には気を付けなければなりません。
塩分の摂り過ぎに注意
味付け海苔、海苔の佃煮、韓国のりには、塩分が多く含まれます。
そして、妊娠中における塩分の過剰摂取は妊娠高血圧症候群を引き起こす可能性があるため、これらの食品の摂り方には注意が必要です。

味付け海苔
焼き海苔よりも味付け海苔を好む方もいると思います。濃い味の味付け海苔はごはんとよく合いおいしいですよね。しかし、味付け海苔の場合、焼き海苔と比べてやはり塩分量を多くなってしまいます。このため妊娠中であれば、味付け海苔よりも焼き海苔がおすすめです。
やはり焼き海苔よりも味付け海苔が良いという方は、塩分控えめ・減塩タイプの味付け海苔にすると良いでしょう。
大森屋 減塩味付のり 6束 ×10個 | やま磯 減塩朝めし海苔味カップ 8切32枚 1個 | 白子 あごだし減塩味付のり 50枚 |
海苔の佃煮
海苔の佃煮も同様です。こちらも塩分が多く含まれるので、食べ過ぎには注意が必要です。
かけ過ぎに気を付ける、毎食ではなくたまに食べるなどの工夫をしてみてください。また、減塩タイプの佃煮も販売されているので、試してみてはいかがでしょうか。
減塩 海苔 佃煮 国産 黒のり 100% 125g | 中川海苔店 塩分控えめ やや甘口 海苔の佃煮 のり屋の佃煮 150g×3個 | 磯じまん のりのり 塩味控えめ 75g×12個 |
韓国のり
韓国のりは軽い食べ応えと、塩加減とごま油の風味がクセになりますよね。また、ごはんのお供としてだけでなくサラダなどにトッピングしてもおいしいため、ついつい食べ過ぎてしまうこともあるかと思います。
しかし、韓国のりも味付け海苔や佃煮と同様に、塩分を多く含みます。食べ過ぎないように注意しましょう。
海苔に限らず、妊娠中は塩分の摂り過ぎに注意する必要があります。例えば、こちらの宅食サービス「nosh(ナッシュ)」は、低糖質・低塩分の食事が特徴的で、妊娠中の食事におすすめです。↓

ヨウ素の過剰摂取
ヨウ素は食品に存在するミネラルで、海苔やわかめ、昆布、ひじきなどの海藻類に多く含まれています。なお、ヨウ素はヨードとも呼ばれます。
ヨウ素は、妊娠中にお腹の赤ちゃんの骨や脳の発育に欠かせない栄養素であり、ヨウ素が不足した場合には流産・死産の可能性もあります。
しかし、日本人の場合、普段からヨウ素を十分に摂取できる食事をしているため、妊娠中だからといって意識してヨウ素を摂る必要はありません。ヨウ素を意識して摂取した場合、ヨウ素の摂り過ぎになってしまう可能性があるためです。ヨウ素の過剰摂取は、赤ちゃんの体内にヨウ素がたまり、甲状腺機能低下症などに繋がることがあります。
妊娠中のヨウ素の上限量は2000㎍です。全形サイズ1枚の場合のヨウ素は63㎍、一般的な8切サイズ1枚の場合のヨウ素は8.4㎍なので、全形サイズだと31枚、8切サイズだと238枚は食べても問題ないという計算になります。
海苔をはじめ、その他の海藻類についても、極端な食べ過ぎには注意したほうが良いでしょう。
葉酸の過剰摂取になる?
海苔は葉酸含有量が非常に多く、全形サイズ8枚で推奨摂取量を摂取できることを解説しました。
そこで、葉酸の摂り過ぎが悪影響を与えると聞いたことがある方もいるかもしれません。
確かに、葉酸の摂り過ぎが原因で、発熱や呼吸障害を引き起こすことや、ビタミンB12欠乏症(悪性貧血)の診断が困難となってしまう可能性があります。
しかし、これはサプリメントによる葉酸の過剰摂取の場合であり、1日の摂取上限量1000㎍という数字もサプリメントによるもので、食事から摂る葉酸は関係ありません。
食事からの葉酸摂取の上限量は定められおらず、海苔の食べ過ぎによる葉酸の過剰摂取を心配する必要ありません。
ビタミンAについては大丈夫?
妊娠中におけるビタミンAの過剰摂取は赤ちゃんの先天異常に繋がる可能性があるため、摂取量には注意が必要です。レバーやうなぎを食べ過ぎると良くないと言われるのはこのためです。
特に妊娠超初期・妊娠初期については、ビタミンAの摂り過ぎで器官形成異常、例えば、耳の形態異常などを引き起こすリスクが高くなります。
ビタミンAは、大きく分けて、動物性食品に多く含まれるレチノールと、植物性食品に多く含まれビタミンAに変換されるβ-カロテンがあります。
レバーやうなぎに含まれるのはレチノール、海苔や緑黄色野菜に含まれるのはβ-カロテンです。
妊娠中の過剰摂取で心配されるのはレチノールであり、β-カロテンは体内で必要な分しかビタミンAに変換されないため、β-カロテンの摂り過ぎでビタミンAの摂り過ぎにはなりません。このため、海苔によるビタミンAの過剰摂取については心配いりません。
まとめ
妊娠中の海苔について解説しました。葉酸や鉄分、タウリンが豊富で妊婦さんにおすすめの海苔。調理せずにサッと食べられるので、おやつにも最適ですよね。
海苔の食べ過ぎは、ヨウ素の過剰摂取が心配ではありますが、一般的なサイズの海苔1枚に含まれる海苔は大量ではないため、極端に多い量を毎日食べるなどしない限り大丈夫でしょう。
また、塩分についての心配もありますが、味付け海苔、海苔の佃煮、韓国のりなどの塩分が高いものを避け、焼き海苔を食べると良いでしょう。
海苔の食べ過ぎには注意をしつつ、日々の食事やおやつに取り入れてみてはいかがでしょうか。

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